台湾進出において不可欠な「統一発票制度」とは― 日本企業が必ず理解すべき台湾の公式インボイス制度 ―
- 7 日前
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台湾進出を検討する日本企業が、最初に戸惑いやすく、かつ実務上きわめて重要となる制度が「統一発票」です。
日本ではあまり馴染みのない制度ですが、台湾で事業を行う以上、この制度への理解と適切な運用は避けて通ることができません。
本記事では、台湾ビジネスの基盤となる発票制度について、実務視点で分かりやすく解説いたします。
① 統一発票とは何か

「統一発票」とは、台湾政府(財政部)が一元管理する公式インボイス制度です。
日本では企業が独自に発行する領収書や請求書が一般的ですが、台湾では政府が様式および番号を管理しており、課税事業者は取引ごとに統一発票を発行する義務があります。
この発票は単なる領収書ではなく、以下の内容を極めて重要な税務文書です。
・営業税(台湾の付加価値税)の計算根拠
・法人税申告時の重要証憑
・税務調査時の基礎資料
なお、消費者向けの発票には抽選(宝くじ)制度が付随しており、台湾では消費者が発票の受領を積極的に求める文化が定着しています。これは脱税防止を目的とした台湾独自の仕組みです。
② 電子発票(eGUI)の普及と現状

現在、台湾では「電子発票(eGUI)」が主流となっています。
もっとも、完全にペーパーレス化されているわけではなく、中小規模事業者では紙の発票が使用されているケースもあります。
しかし、企業間取引や一定規模以上の事業活動では、電子発票の導入が事実上の標準となっています。
台湾で法人を設立し本格的に事業を行う場合、電子発票システムの導入は実務上必須と考えて差し支えありません。
③ 発票の種類

統一発票にはいくつかの種類がありますが、実務上押さえるべき主な区分は以下の通りです。
・三連式発票:主にB2B取引用
・二連式発票:主に消費者向け(B2C)
・電子発票:現在の主流形式
現在はクラウドを通じて発行・保存・申告データ連携まで行う電子発票が中心となっており、日本企業が台湾進出する場合も、この電子型での運用を前提とするのが一般的です。
④ 実務上の重要ルール

(A)発行タイミング
最も重要なポイントは、売上発生時点で発行義務があるという点です。
なお、商品の引渡し時やサービス提供完了時が基準であり、入金時ではありません。
「入金確認後に請求書発行」としてしまうと、税務上問題となる可能性があります。
(B)統一番号の記載
B2B取引では、取引先企業の「統一番号(8桁の法人番号)」を必ず記載する必要があります。
番号が誤っている場合、相手企業側で経費処理や営業税控除ができなくなり、トラブルの原因となります。
(C)訂正手続きの厳格性
一度発行した発票は、単純な修正ができません。
・システム上での正式な取消処理
・「折譲(ディスカウント処理)」の実施
など、厳格な手続きが必要となります。日本の請求書修正とは異なる運用である点に注意が必要です。
⑤ 税務申告との関係とリスク

統一発票は、台湾の税務申告制度の中核をなす仕組みです。
発票管理を適切に行わなかった場合、以下のリスクが発生します。
・経費として否認され、法人税負担が増加
・営業税(付加価値税)の仕入税額控除ができず納税額が増加
・未発行・不備による罰金、重大な場合は営業停止
台湾では発票管理の適正性が企業の信用にも直結します。
⑥ 日本企業が陥りやすい失敗例

台湾進出企業で実際に多く見られる事例として、以下が挙げられます。
・日本式の自社フォーマット請求書を使用し無効扱いとなる
・発票の受領漏れによる経費否認
・統一番号の誤入力
・手作業管理による申告データ不整合
これらを防ぐためには、手作業による管理ではなく、現地ERPシステムとの連携やクラウド会計ソフトとの統合、発行〜保存〜申告データ作成までの自動化といった体制整備が不可欠です。
まとめ)発票管理は「利益」に直結する

統一発票は一枚の書類に過ぎないように見えますが、台湾ではその管理水準が企業の収益性に直結します。
台湾進出を成功させるためには、制度理解と実務設計、そして現地会計事務所との連携を早期に整えることが重要です。
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