
台湾での法人設立の流れ
台湾での現地法人設立(会社設立)
台湾進出とひとことで言っても、その進出方法にはどこまでを自社アセットで行うのかという点も含めて、さまざまな選択肢から選んでいくこととなります。 そうした詳しい進出方法はホームページの「台湾市場進出の5つの方法」で掲載しましたが、台湾現地の代理店を活用しながら実質的に日本からマネジメントしていく方法もあれば、部分的な出資を通して台湾の現地企業と連携し、その販路等を利用する方法もあります。
本記事で紹介するように現地での拠点を立ち上げていくような、台湾現地市場に深く入り込んでいく方法まであります。 そして現地の拠点については、さらに、現地法人、支店、そして駐在員事務所の3つの形態に分かれます。 そのなかでも、最も準備が必要となる、台湾での法人設立の流れについて解説します。
法人設立の全体の流れ

海外企業の台湾での法人設立については、行政機関への申請や審査、承認を得る多くのプロセスが存在します。
設立準備から実際の法人登記の完了、そして実際に営業が開始できるまで、半年程度は時間を要することとなりますので、法人設立を検討されている場合は早めに取り掛かることをおすすめします。
行政機関への申請等もありますので、自社単独では実際には難しく、当社のような事業者が代理で設立対応を行うことが一般的です。 具体的な流れを7つのステップで見ていきます。
全7ステップで法人設立を理解
事前準備、商号&登記住所調査

まず最初のStep 1では、事前準備を行います。 ここでは大きく2つのことを実施します。
一つ目は、「会社名の決定」で、台湾では必ず「中国語の社名」を登記する必要があります。
人気の名前は既に使われていることが多いため、第3〜第5希望くらいまで候補を考えておき、政府のシステムを使って会社名の重複がないか「予備審査」を行います。
そして二つ目が、実はもっと重要な「登記住所選び」です。
台湾には、法律上、会社の登記ができない建物(住居専用エリアなど)が存在します。 契約後に、登記ができない建物であったとならぬよう、当社では必ず契約前に登記して良い場所であるか公的な確認を行っています。
また、希望する企業には、受付やスタッフが日本語対応可能な、日本企業に適した台北市内のシェアオフィス等もご紹介しています。当然ながらこの最初の段階で代表者をだれにするか、資本金をいくらにするか等、これから設立する法人組織の全体設計を行います。
準備口座開設 / 申請書類準備

日本での法人設立と、台湾での法人設立での大きな違いは、銀行口座の開設のタイミングです。
日本では法人設立後に銀行口座の開設を行いますが、台湾においては、法人設立の前の段階で銀行口座を開設し、資本金を送金しておく必要があります。
また、その銀行口座の開設についても2段階で行うこととなります。
まずは法人設立が完了する前の段階で使用する、いわゆる「準備口座」と呼ばれるものです。
これは最初に開設して資本金を送金し、会社設立に必要な資本金があることを政府機関に証明するために使用します。 そして、最終的に全ての審査を終えたあとに「正式口座」に切り替えを行い、日々の事業資金としての利用ができるようになります。
話は戻りますが、この資本金の送金ができる台湾での口座を作成することが現地法人設立の最初の関門です。
マネーロンダリングの観点からも、台湾現地の銀行も新規の口座開設には慎重になってきており、海外企業の準備口座の開設を受け付けないケースが昨今非常に増えています。
台湾現地の銀行口座を開設する場合、どこの銀行に相談するのが良いかは、こうした対応の経験が必要となりますので、当社を含め法人設立をサポートする企業にあらかじめ聞いておくと安心です。
管轄の支店との兼ね合いもありますので、こうした銀行口座の開設も見据えて登記住所を選んでいくことも大切です。
なお、台湾現地の銀行での準備口座開設の場合、設立予定の台湾現地法人の代表者が実際に銀行窓口に行く必要がありますので、渡航スケジュールに組み込んでおく必要が出てきます。
また、次のステップでは投資審議委員会への申請を行いますので、必要書類の準備も行います。
第1回投資審議委員会

第1回投資審議委員会への申請ですが、ここが実務上、最も時間を要するプロセスです。
台湾の、経済部 投資審議委員会に対し、事業計画書や株主構成を提出して許可を求めるのですが、近年この審査が厳しくなっています。
特に最大のポイントは、「背後に中国の資本が含まれていないか」という点です。 株主が日本法人であっても、その親会社や役員構成まで遡ってチェックされます。
審査官からの質問対応だけで数ヶ月かかることもあり、この許可が下りるまでは、まだ法人の存在も一切認められていない段階ですので、資本金を1円も送金することができません。
投資審議委員会への提出で必要となる書類は数多くありますので、実際に法人設立申請が始まる際に設立代行会社からの説明を受けながら、それに従って記入を進めます。
なお、最終的に当社のような設立を代行する企業が中国語に翻訳をして、経済部 投資審議委員会への提出を行い、第1回 投資審議委員会での審査へと進んでいきます。
近年は審査が厳格化されていることもあり、以前と比べるとその審査日数が伸びてきています。 ケースバイケースなのと、資本金額の大きさによっても変わってはくるものの、1ヶ月程度はかかると考えておくと良いでしょう。
資本金送金 / 第2回投資審議委員会

無事に第1回投資審議委員会を終えたら、次は用意した準備口座に資本金の送金となります。
この際に大事なことは、資本金として設定した金額にぴったりの入金ができるようにすることです。
多くの銀行では台湾ドルでの受取金額の指定ができないケースも多く、その場合は日本円や米ドルで送金し、為替変換されて台湾の準備口座に着金します。
少ない金額では受け付けてもらえず、その場合は基本的に資本金設定した金額よりも、若干多い額の送金を行い、資本金指定した金額よりも多い分については、準備口座から再度日本の口座に返金で海外送金を行う、ということが必要です。
少し複雑に感じられるかもしれませんが、基本的には、実際の資本金額よりも若干多く送金し、超えた分は再度、日本の銀行口座に送金をし返す、ということで理解いただければと思います。
当社のような手続きを代行する会社側で、資本金が無事に着金したことを確認し、それを証明する書類の用意を行います。
そして、その資本金の情報を政府機関である経済部に提出し、第2回の投資審議委員会での審査を受けることとなります。
統一番号取得 / 口座切替

順調に進むとおよそ審査2週間で審査を終えて、会社固有の8桁の統一番号というものが発行されます。 台湾の税務対応はすべてこの統一番号が関わってきますので非常に大事な番号となり、これで正式に台湾での会社設立が認められたことになります。
なお、この状態は会社設立はされたものの、まだ営業活動ができる状態にはなっていません。
そこで、管轄の国税局での税務登記を行い、さらに台湾での会計で必要となる統一発票の発行ができるように対応を行います。 統一発票については台湾の独自の仕組みで、日本の事業者には少し複雑に感じられる部分も多いので、改めて別の投稿で詳しくご説明します。
さらに、資本金の入った準備口座を、事業で使えるように正式な法人口座に切り替える必要があります。法人の代表者が再度銀行に行き、切り替え手続きを行い、これで台湾での法人設立対応が完了します。
なお、ここで説明した国税局での対応は、基本的に当社のような設立代行を行う企業が対応を行うこととなります。
また、正式な法人口座への切り替えも通訳可能なスタッフが同行してサポートをしますので、ご安心ください。
資本金と費用について

最後にお金の話です。
まず、当然ながら「資本金」が必要です。
日本人代表者が最終的に台湾の就労許可や居留証を取得する場合、実務上は50万台湾ドル(約230万円)以上を推奨しています。
この資本金は、設立後の家賃や給与などの運転資金として自由に使えるものとなります。
また一方、設立にかかる行政費用や代行手数料などの諸経費があります。
これらの費用は資本金額や事業内容によっても異なってきますので、当社にご相談ください。
